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2009年7月 4日 (土)

Biologue #1 齋藤真知亜さんのコンサート

090701_biologue_1_130_130  18年前よりテーラーの燕尾服をご愛用くださっているヴァイオリニストの齋藤真知亜さんが、「Biologue #1」と題したコンサートを、7月1日にサントリーホール・ブルーローズ(小ホール)で開きましたので、聴きに行って来ました。

昨年までの10年間は、「viologue」と称して、ヴァイオリンとダイアログをコンセプトに、音楽との対話、作曲家との対話など、「ヴァイオリニストにならなければ、噺家になっていただろう」とおっしゃる真知亜さんならではのコンサートをされてきました。

07010008_130_150 今年からの新シリーズ「Biologue」は、「生命」を表す「Bio-」と「対話Dialogue」をつなぎ合わせた造語、「生命(いのち)との対話」という意味です。

ヴァイオリニストとして、作曲家の「生命」と触れ合い、演奏する仲間たち090701_biologue_1_130_150_2 の、そして聴衆の皆さんの「生命」と語り合いたい、と真知亜さんはおっしゃっていました。

プログラムは、前半がクライスラーの作品、後半がヴィヴァルディの「四季」というもの。(写真をクリックすると大きくなります)

共演の室内アンサンブルは、真知亜さんが教鞭をとる東京音楽大学の教07010004_130_150え子たち9人に、ヴァイオリン、コントラバス、チェンバロにベテランのプロを加えた12人編成。

生命の鼓動、バイオリズムもぴったりで、気迫のこもった感動的な演奏で した。

07010011_130_130鳴り止まぬ拍手に応えて、2曲のアンコールがありました。

ヴィヴァルディの「四季」に呼応しての、早川正昭作曲「バロック風日本の四季より春」は、オシャレな選曲とともに、初めて聴く貴重な体験をさせていただきました。

07010001_130_150 ピアノ伴奏のリサイタルも良いですが、やはり室内楽との共演のほうが感動も大きいように思います。

多くの「生命」が共にハーモニーを醸し出すからでしょうか。

今日、7月4日、真知亜さんから「水洗いをお願いします」というメッセージと共に、燕尾服一式が宅配便で届きました。

2009年7月 3日 (金)

ユニークダンス・パーティーを開催

Dsc_0708_130_150 テーラーの所属クラブ「東京むかでワイズメンズクラブ」では、年に2回、春と秋に「YMCAユニークダンス・パーティー」を開催しています。

「ユニークダンス」というのは、身心に何らかの障害をお持ちの方と、そうでない方が、一緒になって社交ダンスを楽しむ、文字通りユニークなダンスです。

090613_130_120 1983年に第1回パーティーを開催以来、2008年秋には第50回の記念パーティーを開催、その功績が認められて、6月13日に十勝で行われたワイズメンズクラブ東日本区大会で、コミュニティー・サービス(CS=地域奉仕)活動特別賞を受けました。

第51回パーティーは、6月28日午後、江東区公会堂「ティアラこうとう」でDsc_0688_130_130開催しました。

司会は、むかでクラブのブレザーを着たJさん、ダンス指導は第1回からご指導いただいている「ユニークダンス研究会」のSさん(写真左)、奥に 顔が半分写っているエレクトーン奏者のEさんも、20年来のボランティアDsc_0692_130_150です。

ダンスの前には、輪になって準備体操。
「バーディーソング」に合わせて身体を動かします。

Dsc_0700_130_130初めての方には、レッスンタイムを設けて、踊り方の基本を指導。
障害の場所や程度によって、パートナー同士で工夫をしながらダンスを楽 しみます。

Dsc_0710_130_150 広いフロア一杯に、思い思いのステップで踊る、ダンスタイムが続きます。
うまく踊れても、思ったように踊れなくても、笑顔が絶えないのがユニークダンスの良いところ。

Dsc_0720_130_150 踊り疲れたところで休憩が入ります。

グループリーダーが参加者を紹介、和やかなコミュニケーションのひと時です。

Dsc_0739_130_130Dsc_0742_130_130_2 今回は、海外からの参加もありました。
西那須野にある「アジア学院」で、農業の勉強をしているガーナとインドからの留学生で、お国の歌も披露してくださいました。

Dsc_0731_130_150 休憩後は、全員で輪になってフォークダンス。

二重の輪になって、内側には車椅子や歩きにくい方、外側は元気に歩ける人が回って踊りました。

Dsc_0767_130_150 最後は、「今日の日はさようなら」を歌ってお別れです。

次回「第52回ユニークダンス・パーティー」は、10月25日(日)、同じく「ティアラこうとう」での再会を約して散会しました。

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2009年6月21日 (日)

東京に2つのワイズメンズクラブが誕生

テーラーの所属しています国際友好・奉仕団体の「ワイズメンズクラブ」では、ここ一か月間に、東京に2つの新クラブが誕生しました。

Dsc_0488_130_150 一つは「東京銀座ワイズメンズクラブ」

5月30日に「チャーターナイト」(ジュネーブにある国際協会本部からの加盟を認める認証状を伝達して、新しいクラブの発足を祝う会)が、銀座6Dsc_0493_130_150 丁目の「ライオンビアホール・6階」にて開催されました。

6階の会場は、歴史を感じさせるクラシックなたたずまいです。

Dsc_0516_150_150厳粛な雰囲気の中、国際協会加盟認証状が、東日本区理事から新クラブの初代会長に手渡されました。

東京銀座クラブのメンバーは27人。
若いメンバーが多く、20代から70代まで個性豊かでアクティブな人材がDsc_0540_130_150 揃っています。

祝宴では、鮮度のいいビールと、バラエティ豊かなお料理で、新クラブのメンバーとの交流を楽しみました。

Dsc_0585_130_150 もう一つは「東京白金高輪ワイズメンズクラブ」

6月21日に、目黒駅近くの老舗の中華料理「香港園」にて、チャーターナイトが開かれました。

Dsc_0594_130_140 東京でも、港区に拠点を置くクラブは初めてで、地元の明治学院大学の先生も会員に名を連ねています。

英文の認証状を、東日本区理事が読み上げて、初代会長に手渡されましDsc_0599_130_150 た。

引き続いて、新クラブへの新メンバーの入会式が行われ、一同手を上げて入会の宣誓をしました。

白金高輪クラブの新メンバーは16人。
Dsc_0608_130_13040代から70代までのインテリジェンスを感じさせる大人のクラブという印象です。

クラブバナーは、信越妙高クラブが妙高市で支援をしている障害者施設で取り組んでいる「さおり織」で織り上げたもの。
旗を通す竿も、信越妙高クラブの副会長宅にある白樺の枝を使っています。

Dsc_0614_130_150 祝宴では、前菜からスープ、各種のお料理が豊富に並んだビュッフェスタイル。
100人近くの出席者が、舌鼓を打ち交流を楽しみました。

2009年5月31日 (日)

銀座で開催中の「ウアモウと仲間 個展」

Dsc_0486_130_150 大型ぬいぐるみ「ジャイアント・ウアモウ」のパターンを、私テーラーがお作りしたことからお付き合いをしている高木綾子さんが、5月29日から6月7日まで、銀座で展覧会をしていますので、5月30日に行ってきました。

Csc_0549_130_130 地下鉄の銀座駅を「和光」の脇に出て、和光の裏通りを銀座1丁目方向に行きますと、通りを1本渡って、てんぷら「ハゲ天」の少し先の左側に、目指す「中山ビル」はありました。

その4階が会場ということで、左の入り口を入ると、まっすぐに階段が・・・。
エレベーターは無くて、4階まで登りました。
5階には、ビルのオーナーがお住まいだそうです。

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今回の展覧会は、高木さんと4人のお仲間とのコラボレーション。
ウアモウを題材に、それぞれの個性が光る作品が並びました。

Dsc_0463_130_150 「ジャイアント・ウアモウ」は、オリジナルのサイズ(体長1.3m)と、弟分の70%サイズ2体がソファーに腰掛けていました。

小さい子供たちには、弟の方が受けがいいそうです。

Dsc_0475_130_150 高木綾子さんのオリジナル・ウアモウ・グッズでは、今回、一番高価なものでは、宝石をちりばめた「ウアモウ・フェイス・ブローチ」が、光り輝いていました。

お仲間4人のアーティストの作品も一部ご紹介します。

Csc_0548_130_150 堀本実希さんは、人物画やコミックを得意とするイラストレーター。

鉛筆で描かれた繊細なラインが印象的です。

Dsc_0478_130_150 坂井千尋さんは、モノクロでの動物作品を得意とする陶芸作家。

「ものくろーむ・うあもう」と題した、墨色と白のコントラストが特徴の陶器です。

Dsc_0464_130_150 溝川なつ美さんは、新進気鋭のイラストレーター。

ペンとインクで繊細なメルヘンの世界を表現。ウアモウはどこにいるのでしょうか。

Dsc_0468_130_130  世良有里子さんは、布彩表現アーチスト。

体長10cmほどのウアモウに、動物などのポップな衣装を着せての作品です。

このショートケーキになったウアモウは、中でも異彩を放っていました。

そのほかの作品は、高木さんのブログにアップされていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

当日は、そのあと、同じ銀座の7丁目ライオンで開かれた「東京銀座ワイズメンズクラブ」のチャーターナイト(新設のクラブが国際協会からの認証状を受ける儀式と祝宴)に出席しました。

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2009年5月24日 (日)

志摩大喜テノールリサイタルに行きました

5月23日(土)午後6時から、半蔵門のTOKYO FMホールで、志摩大喜さんの第2回テノールリサイタルが開かれました。(プログラムは画像クリックしてご覧ください)

05230066_130_150 志摩さんには、2002年に燕尾服をお作りしまして、最近は、特に着用の機会も多くなったと伺っていましたが、結婚されてから幸せ肥りか、このたび寸法のお直しと水洗いをして、リニューアルをしました。

会場のTOKYO FMホールですが、大変響きの美しいホールで、志摩さんのベルベット・ボイスにはうってつけ。

テーラーは、毎年「麹町合唱団・定期演奏会」でこのホールに出演していますが、聴く側は初めてですので、楽しみです。

052300021_130_150第1部はテノール・ソロのステージ。

没後250年のヘンデルの2曲と日本歌曲が、しっとりと品の良い歌唱で、演奏されました。

052300102_130_150第2部は、歌劇「椿姫」からハイライト。

照明を落とした舞台では、巨瀬励起さんのピアノで、序曲が静かに始まりました。

052300132_130_150続いて、志摩さんとソプラノの前田有里さんが、ワイングラスを持って登場。

「乾杯の歌」が高らかに歌われました。

052300292_130_140 それから、テノールの有名なアリアが続いて、このステージ最後は、再びソプラノとの二重唱で幕を下ろしました。

第3部は、こちらも有名な歌劇から、テノールの聞かせどころ満載のステージ。

持ち前の気品のある歌声に、ドラマチックさが加わって、また、高音の伸びも見事で、拍手喝采、楽しませていただきました。

05230062_130_140 アンコールでは、歌劇「真珠採り」、オペレッタ「メリー・ウィドー」のデュエット、それに、前回リサイタルのアンケートでリクエストの多かった日本歌曲の「初恋」が歌われ、ご挨拶がありました。

05230065_130_150 そして、アンコールの最後は、イタリア民謡「オ・ソレ・ミオ」がホール一杯に響き渡りました。

この写真は、その最後の一音を歌い終わる瞬間。
感動のフィナーレでした。

2009年5月22日 (金)

補正と同時に行う「水浸け」作業

5月11日のブログには、「補正」作業について書きましたが、それと同時進行で行う大切な作業に「水浸け」があります。

具体的に何をするのかと言いますと、ジャケットの場合、毛芯、衿芯、スレーキ(ポケットの袋などに使う生地)をお湯に浸して、縮むだけ縮めておくのです。

Dsc_0228_130_150お風呂よりも熱い50度くらいのお湯に、2時間くらい浸けて置きますと、毛芯はゴワついた感じがなくなり、しなやかな風合いになります。
衿芯やスレーキは、糊気が落ちて、縮むと同時に風合いが良くなります。

Dsc_0230_130_150 その後は、脱水をして干しておきます。

この時にも、決して引っ張ったりせずに、出来るだけ縮んだ状態をキープするようにします。

Dsc_0236_130_150 乾いた毛芯は、アイロン・ワークで胸にボリュームを出して、立体感を表現します。

補正作業のところでも書いたように、表生地はマニプレーションによって胸のボリュームを出していますので、内側に入る毛芯では、表生地より以上に立体感を出しておかないと、美しいシルエットが出ないのです。

Dsc_0227_130_150 一方、裏地は、ポリエステルとキュプラの交織のものですと、横方向が少し縮む程度ですので、十分に霧を吹いてアイロンで地のしをしておきます。

ただし、キュプラ100%の裏地では、縦横共にかなり縮みますので、水浸けをする必要があります。

このような作業をすることによって、ボリューム感のあるシルエットが表現できると同時に、長くお召しになった洋服を、安心して水洗いできるようになるのです。

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2009年5月20日 (水)

太田茂ファゴット・リサイタルに行きました

05200032_130_150 5月20日夜7時、サントリーホール・ブルーローズ(小ホール)で行われた「太田茂ファゴット・リサイタル」を聴きに行ってきました。

太田さんは、テーラーの出身中学「文京六中」のコーラス「ドルチェ&マルカート」の指揮者もしているし、テーラーのお客様でもあります。

05200033_130_150 プログラムは、「フレンチ・バロック、その優雅な調べ」というサブタイトルにあるように、バロック時代のフランス人作曲家にスポットを当てたもの。

出演は、ファゴットの太田茂さん、奥様でフルートの太田嘉子さん、チェロの河野文昭さん、そしてチェンバロの森岡奈留子さんの4人。

プログラムの内容は、写真をクリックして大きくして見てください。

05200002_130_150 開演前と休憩時間には、チェンバロの調律が念入りに行われていて、その音階の響きを聞いていると、これから始まるバロックに引き込まれていくようです。

05200005_130_130 1曲目のあとと、休憩後には、太田さんの曲目解説がありました。

曲の中で、ファゴットのオリジナル曲は1曲だけで、そのほかでは高い音が多く、演奏が難しいそうです。

太田さんのファゴットは、その人柄を表すように優しい響きで、包み込むような温かさがありました。

05200014_130_150 通奏低音のチェンバロも見事な演奏、チェロも弓をヒュンと持ち上げるように引くバロック奏法で、すばらしいアンサンブルを響かせていました。

アンコールの最後には、再度4人が登場して「バッハ・グノーのアヴェマリア」。
美しい奥様のフルートが、ひときわ美しく響きました。

2009年5月18日 (月)

ジャイアント・ウアモウの兄弟が増えていました

高木綾子さんからお誘いのメールをいただき、テーラーのHPでも情報発信している「遠い星から来たウアモウ展」が、代官山の「STITCH TOKYO」で開かれていますので、行ってDsc_0388_130_150_2来ました。

東急東横線で渋谷から一駅、何年ぶりかで降り立った代官山駅は、すっかり近代的な駅舎になっていました。

Dsc_0377_130_140駅からぶらぶら歩いて3~4分、八幡通りにある郵便局の少し先に「STITCH TOKYO」はありました。

入り口のウィンドーには、ジャイアント・ウアモウがお客様のお出迎え。

店内は、メンズやレディス、子どものカジュアルウェアのショップがあって、 一番奥の小部屋が「遠い星から来たウアモウ展」の会場です。

Dsc_0374_130_150会場入り口には、生成り色のキャンバス地のジャイアント・ウアモウが、会場の真ん中には、白と黒のジャイアント・ウアモウが鎮座しています。

今回の会場には、ショップ入り口を含めてジャイアント・ウアモウが、4人兄弟に増えていました。

Dsc_0361_130_150ジャイアント・ウアモウのパターンを作ったテーラーとしては、兄弟が増えることは、子どもが増えたようでうれしいもの。
一緒に記念写真を撮りました。

そのほか、会場には新しい作品がたくさんありました。

Dsc_0365_100_130Dsc_0366_100_130Dsc_0367_100_130_2

レインボーカラーの「イムイムウアモウ」「シルバーを彫刻したペンダント」「小さなお面のウアモウ」などなど。

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Dsc_0369_t_100_130 即売品も、「透明なウアモウ(胸にはハートが入っている)(写真中央)」「新しいTシャツ」が目に付きました。

Dsc_0383_130_140 そこから歩いてすぐのところに、だいぶ以前に「東京むかでワイズメンズクラブ」の新年会で来たことのあるフレンチ・レストラン「シェ・リュイ」があり、ちょうどテーラーの結婚記念日でしたので、ワイフとランチを楽しんで、代官山をウィンドーショッピングしながら帰りました。

2009年5月11日 (月)

細かな調整を行う「補正」作業

ハンドメイドの洋服作りは、「仮縫い」をすることが特徴の一つになっています。

お客様にとっては、注文した洋服が、身体にフィットして、シルエットやデザインがイメージ通りになっているかをチェックすることが出来る、ワクワクする時でもあります。

また、テーラーにとっては、自分が手がけたパターン(型紙)、裁断が試されるわけで、別の意味でワクワクする時でもあります。

Dsc_0219_130_150_200 今日のタイトルにある「補正」は、仮縫いが終わって縫製(本縫い)に入るまでの間の工程のこと。

「補正」の初めは、仮縫いで分かった修正箇所を、型紙上で修正していきます。
足りない所には紙を貼り足したり、余っている所はカットしたり、体型によっては、写真のように「前肩」の位置をマーク、右肩だけ5mm下げる指示を書き込んだりします。

Dsc_0224_130_150 型紙の修正が終わりますと、仮縫いの洋服は全部ほどいてアイロンをかけて平らな生地に戻します。

写真をクリックして拡大してみてください。
生地にズレが出ていることが分かります。これは生地にかかっていたストDsc_0223_130_150 レスが無くなって、より自然な状態に戻ったことを意味しています。

平らに戻した生地は、一晩吊るして寝かせて置きますと、安定した状態に戻ります。

Dsc_022_130_150 それから、仮縫いのために付けた「切り躾け」(きりびつけ、キリビ)を抜いていきます。
無地の生地では、地の目が分からなくなってしまわないように、地の目に沿って打たれている切り躾けだけは残しておきます。

Dsc_0232_130_150 そして、平らになった生地に、修正した型紙を置いて、チャコでマーキングをしていきます。

写真はジャケットの前身頃で、腰ポケットから胸ダーツに沿って型紙を切り開き、胸のボリュームを表現するための高度な「マニプレーション」という技法を取り入れています。

Dsc_0234_130_150 こちらは、チャコ線を描いて、縫代も本縫い用にカットした状態です。

右肩だけは、より体型にフィットするように、黄色いチャコで描き分けています。
Dsc_0239_130_150 仮縫いでチェックした前肩のポイントも、書き入れてあります。
肩パッドにも、前肩の位置をマーキング、その部分を薄く仕上げてあります。

このように、細かい調整を行う「補正」作業によって、長時間着ていてもストレスを感じない、着ていることを忘れるような一着が出来上がるわけです。

テーラーのHPはこちら

2009年4月18日 (土)

服作りはまず「地のし」から始まる

「地のし」は、縮絨のことで、英語ではシュランク(shrunk=shrinkの過去形)と言い、水に浸して織物を縮めることを言います。

洋服生地は、織り上がったときには、タテヨコに引っ張って巻き取られて反物にして出荷されますので、そのまま仕立ててしまいますと、将来、生地が縮んで丈が短くなったりする可能性があります。

Dsc_1020_130_150 そこで、テーラーの店では、この「地のし」を外注せず、自店で行っています。

まず、生地に十分に霧を吹きます。

Dsc_1021_130_150 その上からアイロンを当てますと、ジュッという音と共に蒸気が出ます。

その蒸気を生地に十分に通すようにしながら、生地が乾くまでアイロンを掛けます。
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これは、片面の地のしが終わった状態。
上側の生地が縮んで、生地の耳が波打っているのが分かります。
同時に、生地の幅も縮んでいるのが見えます。

Dsc_1013_130_150Dsc_1026_130_150 左の写真は地のし前のもの。右が地のし後。
耳文字の内側まで、地のし前は78cmありましたが、地のし後は77cmになっています。

Dsc_1011_130_150 ウールの生地は、ダブル幅といって、生地幅が約150cmありますので、二つ折りにして地のしをしています。

片面が終わりましたら、生地をひっくり返して、もう片面も地のしをしていきます。

背広1着分は3.2mですので、裏表で6.4mの作業となり、それを約1時間かけて行っています。

Dsc_1034_130_150 こちらの写真は、タテがどのくらい縮んだかですが、地のし前に50cmの印が49.3cmになっていますので、1mにつき1.4cm縮んだことになります。

Dsc_1038_130_150 地のしが終わった生地は、ハンガーパイプに吊るして一晩置きますと、自然な状態に落ち着きます。

以後は、ウールの生地は呼吸を始め、湿気を吸うと伸びて、乾燥すると縮む、ということを繰り返すようになります。

このように、入念な地のしを行うことで、私テーラーの仕立てた洋服は、将来水洗いをしても狂うことがありませんし、逆に、水洗いをすることによって、新品同様の風合いを取り戻すことが出来るのです。

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